#7『ソクラテスの弁明』公演レビュー
2023年08月26日
- ソクラテスはどこまでも真実に近い、または真実を語っているのだと理解はした。しかし、その言葉は正しすぎて、受け入れ難いものだと思う。知らないながらも的確に正しさを述べる彼が、死すら恐れない彼が私は恐ろしく、まるで巨人の足元にいる気分になった。それ故に陪審員として彼と対峙させられた時、手が動かせなかった。
まるで彫刻のような優美さや華やかさを感じさせる動きや朗々とした前半の弁明と対照的に、後半の静かかつ退廃的な雰囲気は否が応でも私を陪審員にさせた。(5) - ぽんプラザホールには、もう何回も観劇に来ているが、ここからの入場は初めてだったし、こんなに暗い受付ロビーは初めてだった。
それだけでもウキウキした。
観劇して…まず、役者への試練具合がものすごいな。
表情、身体、セリフ量…。プルプルアワアワ要素がエグい。
よく応えていたと思います。みなさんお疲れ様でした。
そういう点で拍手はしますが、何せあのセリフ量と重なり具合、観客としてどれだけ作り手の想いを受け取れたかという意味では不安、不満あり。舞台上に出た文字もほとんど読めなかった。セリフを意味として受け止めなくていいのかな、と考え直しても同様。
美しい会場、舞台(音響照明込)でした。
もっと何か持ち帰りたかった。それが少し残念。(4) - 演技に迫力があり楽しめました。『ソクラテスの弁明』を読み過ぎて疲弊した日の悪夢を見ているかのようでした。
馬鹿みたいな感想ですが、見ている途中、「よくこんな覚えづらそうな長台詞をほとんど噛むこともなく暗唱できるなあ」と純粋に感心してしまいました。(5) - ソクラテスの弁明、読みたくなりました
役者さんの負荷が凄まじい(5) - 公演を作る皆様の準備や努力が伝わってくる舞台でした。演者さんたちは全員舞台に対する集中力が高く発声なども練習を積み重ねたものだと感じました。
観客を取り込む石の演出なども興味深かったです。(6) - とても臨場感があった。演ずる三人はまるでひとつの存在に思えてきて、頭がぐらぐらする感覚がした。原作?から堅苦しいものかと思っていたが、演出の妙というのか、惹き込まれた。そういう劇とはわかっていても複数人のバラバラの会話を追いかけるうちにわけが分からなくなったし、単調だと思いました。でも演技力(切羽詰まった感じ)は凄まじいものでした。(5)
- 演者の入場シーンから、異様の雰囲気が舞台に醸し出されて息を呑まされました。
台詞をあえて被せたり、情緒を爆発させるようなシーンがあったり、人物の葛藤や当時の緊迫した様子を表現されてたのかなと想像したり、とても面白かったです。
後半の畳み掛ける演出は圧巻でした。予想以上に長い時間に渡り全く途切れない怒涛の追い込みが来たと思ったら、最後にプツンと糸が切れたような不気味な静けさを出してくる、とドキドキしながら見入ってしまいました。
この演出を思い付くのもですが、これを表現しきる演者の皆さんも凄いです。。
演劇をあまり観たことなかったのですが、非日常の世界に浸かれて閉演後の余韻も含めてとても楽しかったです。 (6) - やってる人達は楽しいんだろうなと思った。もう演劇じゃなくて、アートパフォーマンスとかに名前を変えた方がよい。そうしないと、チケットを買う側にも不親切だと感じる公演内容だった。
まだ長い模索期間の途中だと思う。もっと自分も他人も疑って創作をしてほしい。演出も役者も、互いに、そして劇に、おかしなところがないか目を光らせてほしい。(1)